因果応報な日々

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武田邦彦『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』

武田邦彦『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』洋泉社


 「地球環境保護のためです」と言われるとグゥの音も出ない昨今だが、その欺瞞の実態を粉砕するのが本書である。

 ダイオキシンは猛毒ではない、ペットボトルをリサイクルするとかえって資源を消費する、北極の氷が溶けても海水面は変わらないなど、なかなか刺激的。だけど、「なるほど」なのである。

 一番目から鱗だったのは、節電すると石油の消費量が増える?、のくだり。本書の例えを引用するが、石油消費を抑える生活をしようと車に乗らず、電気もまめに節電。結果、一月で2万円が浮いた。2万円を持ってゲームセンターに遊びに行っても、そこで電気を使っては結果同じ事になるし、じゃあ、セーターでも買おうかとしても、セーターも石油でできている。

 どうしようもなくなった2万円を結局銀行に預けた。お金を預かった銀行は、それを他人に貸してその利ざやで利益を上げる。だから預けた2万円は他の人に渡って、車でも買われたらその分石油が使われてしまう。さて、一月で2万円浮いたら年間で24万にもなる。おお、これだけ地球環境保護に貢献したんだから、ご褒美代わりにこの24万円でちょっと海外旅行にでも行こう、となれば、当然飛行機は石油を消費してしまう。

 自分で使えば一度しか使われないので、その分しか石油を消費しないが、銀行に預けると2回使われる。だから石油の消費量も2倍になる。


 これは面白い。

 これじゃ、節約しても意味がないじゃないか、となるが、筆者は細々と節約するのではなく、石油の使用量を減らす生活スタイルへの転換が必要であろうと述べている(もともと日本人はさほど石油を必要としない生活をしてきたわけだから、転換と言うよりは先祖返りか)。

 さらに筆者は究極の温暖化対策は石油が枯渇することだ、とも言う。なるほど、石油を使わなければ、二酸化炭素は出ないわな。そこで、筆者は本当の環境問題とは石油の枯渇であるとする。

 確かに、石油なしに現代の生活は成り立たない。生活の基礎である食もいまや肥料やトラクターなしに成り立たない。もちろん肥料やトラクターは石油なしでは作れない(使えない)。もし石油がなくなればその分生産性が落ちるので、日本の食料自給率は現在の40%から25%にまで落ちるのだという。これこそ大問題ではないのか。いくら植林をして空気をきれいにしても、食べるものがなくては生きていけない。我々が認識している環境問題はどうもピントがズレているようだ。

 最近はこういうニュースも出た。

「古紙100%再生紙は環境にやさしい」はウソでした|Exciteニュース

日本製紙は07年4月24日に、「古紙100%の再生紙を廃止」と発表した。理由は2つあるという。ひとつは、古紙を何度も再利用しているために再生紙の品質が悪くなっていること。ふたつ目は、古紙100%の再生紙を製造する際には化石燃料(石油・石炭)の使用量が増えて、二酸化炭素排出量が古紙を使わない場合の2倍以上になること。だから「100%」にこだわるのではなく、用途に応じて最適な古紙配合率を決める必要があるという。


 「地球環境保護のためです」と言われてたじろぐ前に、色々確認すべきことがあるようだ。それをすべきマスコミが「地球環境保護のためです」を煽っているのだからザマはないわけで。
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by seiwadai_walker | 2007-04-29 01:50 | 読書
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とりあえず何か書き綴ります…


by seiwadai_walker
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