因果応報な日々

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奥菜秀次『陰謀論の罠』

奥菜秀次『陰謀論の罠』光文社


 9.11テロにうごめく陰謀論を粉砕した本。個人的は田中宇『仕組まれた9.11』を読んだりしていたので、多かれ少なかれ陰謀論を信じていた部分はある。が、最近テレビ(「たかじんのそこまで言って委員会」だったと思う)に、今や陰謀論の急先鋒となった感のあるベンジャミン・フルフォード氏が出演して、あまりにも荒唐無稽な陰謀論を開陳していたのに脱力し、自分の中での陰謀論は急速に冷めていった。

 この本を読んでとにかく呆れたのが、ベンジャミン・フルフォード氏はじめとして、陰謀論者は政府の公式発表文書を全然読んでいないことだ。政府側の主張を検証せずして、どうやって陰謀論を唱えるのだろうか???

 9.11陰謀論者と反ユダヤ政治組織の結びつきを述べたくだりは興味深い。

 9.11テロの背後にいたのがアラブ系テロリストであり、その後、政治潮流が「反アラブ=親イスラエル」と流れたことで、元ホロコースト否定論者らたちが怒ったことは、容易に想像できるだろう。

 この怒りが、彼らを9.11テロ陰謀論に向かわせたと言えるのだ。


 実際「世界貿易センターで働いていた4000人のユダヤ人は前もって警告を受けて当日出勤しなかった」という噂が流れたのだという。で、この噂の発信元はヒズボラのプロパガンダ放送局だった…

 陰謀論はネタとしては面白い部分があるのは確かだが、ヘタをすると新たな言われなき偏見、差別を生みかねない。そして、それは「知の衰退」であることに留意しなければならない。少なくとも、今のベンジャミン・フルフォード氏には、知性を感じないし…(『ヤクザ・リセッション』なんかは良かったんだがなぁ)。
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by seiwadai_walker | 2007-05-19 00:38 | 読書
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とりあえず何か書き綴ります…


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