とんだ藪蛇
申し入れ逆効果 破損切手など使用不可徹底を通知 郵政|朝日新聞
破れたり、汚れたりした未使用の郵便切手をどこでも新品と交換できるようにして――NPO「ひょうご消費者ネット」(神戸市)が日本郵政公社にこんな申し入れをした。公社の約款では汚損切手の交換や使用を禁じているが、実際には「交換・使用OK」の局も多く、窓口対応がバラバラ。「この際、消費者の利益になるよう統一を」という狙いだった。公社の対応は――。
結果としては「対応がバラバラなのはイカン」ということで、≪申し入れをいい機会として、今月11日、交換・使用を認めないよう各郵便局に文書で徹底した≫のだという。とんだ藪蛇でした。今までは現場レベルの目こぼしで細々とスルーしていたのを、これを既得権のごとく捉えたのが事の誤りでしょう。
「ゴチャゴチャ言うんだったらやっちゃうよ」的な発想は役人はよくするようで、坂本敏夫『元刑務官が明かす死刑のすべて』という本には、次のような事例を挙げ、役人の本質を捉えない市民運動を諌めています。
死刑廃止運動を国内だけではなく欧州にまで広げ、いわゆる外圧をもって法務省に死刑執行停止の圧力を掛けようとした死刑廃止運動をする市民グループ。二〇〇一年六月、彼らにとってしてやったりの勧告が欧州から政府に届いた。その項目のひとつに「死刑執行順番待ち状態の解消」というのがあったのである。運動の成功だ! と喜んだのも束の間、結果はこの通り。法務省は勧告を逆手にとって前例のない早期執行をしてしまった。
ここでいう早期執行とは、通常死刑は確定順に執行されるのだが、≪勧告を逆手にとっ≫た法務省が、「待たせちゃ悪いんだったら次々順番関係なくいきますよ」と前例を無視して順番を繰り上げて死刑を執行したことである。刑事訴訟法では、判決確定後6ヶ月以内の執行を定めているわけで、本来は順番とかは関係ないはずです。それをその通りやっちゃった、というわけ。
市民運動家は自分が正しいと思ってやっているんでしょうけど、もう少し相手の手の内を読む、というか相手の反応を予測することを学んだほうが良いのではないでしょうか…。
by seiwadai_walker
| 2007-06-17 21:28
| 社会