因果応報な日々

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カテゴリ:読書( 34 )

吉村昭『三陸海岸大津波』

c0048467_2156398.jpg 三陸の津波と言えば、宮脇俊三の『ローカルバスの終点へ』を思い出す。

 宮古駅からバスに乗り、宮古市の川代というところへ行った章である。

 十五分ばかり下ると姉吉の集落に入る。地図によれば標高は約六〇メートルで、浜までは一キロ以上ある。こんな不便な場所に家が建っているのは、言うまでもなく津波を避けたからである。

(略)

 姉吉集落から浜への道を下りかけると、古びた自然石の碑があり、こう刻まれていた。
「高き住居は児孫の和楽
 想へ惨禍の大津波
 此処より下に家を建てるな」

 姉吉の人々はこの教えを守り、今回の震災でも被害を免れた。

過去からの警告を守った姉吉地区、家屋損壊を免れていた|p4j

先人の教え、津波から住民守る 宮古市の姉吉地区|47NEWS

此処より下に家建てるな…先人の石碑、集落救う|読売新聞

宮古市重茂半島川代の津波コマ撮り写真と姉吉の最大遡上高|日本地質学会


c0048467_21561976.jpg さて、吉村昭『三陸海岸大津波』である。歴史は繰り返すと言うが、あまりに辛い繰り返しである。日付を変えれば、津波の様子は今回と通じてしまう。それでも、明治29年の津波では、現在とは通信・交通が格段に劣っていたはずなのに、迅速に対応に当たっていたことに驚かされる。

 明治29年、昭和8年、昭和35年(チリ地震津波)、昭和43年(十勝沖地震津波)の実に4回もの大津波を経験した方の言葉が重く胸に刺さる。

「津波は、時世が変わってもなくならない、必ず今後も襲ってくる。しかし、今の人たちは色々な方法で十分警戒しているから、死ぬ人はめったにいないと思う」


 残念ながら今回は「めったに」どころではなかった。筆者の吉村昭氏は故人ではあるが、ここに新たな記録が刻まれるのかと思うと、辛く、悲しい。

ローカルバスの終点へ (洋泉社新書y)

宮脇 俊三 / 洋泉社


三陸海岸大津波 (文春文庫)

吉村 昭 / 文藝春秋


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by seiwadai_walker | 2011-05-31 00:03 | 読書

『マイ仏教』と『地獄入門』

c0048467_024963.jpg みうらじゅんは、語り口はゆるいんだけど、「ほー」とか「あー」とか思わせる天才だと思う。今回はライフワークとも言うべき仏教がネタだから、「ほー」や「あー」もハンパではない。

 個人的には、地獄の解説のところで1冊の本を思い出した。昔、小学館から「入門百科シリーズ」というのが出ていた。30~40歳代の方なら覚えておられる方も多いのではなかろうか? これはその名の通り、『○○入門』という形で様々な分野を分かりやすく解説してくれる、思い出深いシリーズだった。

 その中に、水木しげるが書いた『地獄入門』とかいう、子どものうちから入門せんでもよかろう、と思わせる本があり、あろうことか、当時小3か小4だった私は親にねだって買ってもらったのである。ページを開けば、「痛い!!」「熱い!!」「死んじゃう!!」とダチョウ倶楽部も素で絶叫しそうな、それはそれは恐ろしい世界が展開していた。

 「地獄には堕ちたくないなぁ」と子供心に思ったとは思うが、『マイ仏教』を読んでこりゃ無理だ、と認識を改めた。

【叫喚地獄】
 殺生・盗み・邪淫(淫らな行い)・飲酒をした者が堕ちる。(略)熱湯が沸いた大釜や、猛火の部屋に入れられる。刑期は約三百五十二兆年。

 大概の人間は地獄行き確定である。死んでからも苦労するとはねぇ…。

 確認のため検索すると、『地獄入門』の正しいタイトルは『鬼太郎の天国・地獄入門』であった。天国の記憶はまるでないのだが、どう表現してあったのだろう。

マイ仏教 (新潮新書)

みうらじゅん / 新潮社




鬼太郎の天国・地獄入門 (小学館入門百科シリーズ (171))

水木 しげる / 小学館


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by seiwadai_walker | 2011-05-21 00:31 | 読書

マンガで分かる心療内科 3巻

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 うへぇ、これじゃ俺も該当するがなw

c0048467_175150.jpg しかし、毎度毎度よくもまぁ下ネタが繰り出せるものだと感心するが、心療内科は、「こころとからだ、そして、その人をとりまく環境等も考慮して、それぞれの要素を分けずに統合的によくしていこうとする医学(医療)」だそうから、広い視野と柔軟な発想が必要なのだろう。ご苦労様です。

 関係ないが、先に出てきたED。以前は「インポテンス」と言った。個人的にも、こっちの方がなじみがある。で、日本の医学会ではこれを「IMP」と省略していた。そう、これが「インポテンス」が俗に「インポ」と呼ばれるようになった所以である。

 もう一つ関係ないが、専門誌のタイトルも『IMPOTENCE』だったが、EDに呼称変更されるに伴い『日本性機能学会雑誌』という、極めてフツーなタイトルに変更されたという(年間3回発行、900部、年会費5000円)。

 よし、もう1つついでに。インポテンスやEDに当たる用語が戦後まであった。それは「陰萎(いんい)」。名言(?)だと思う。この辺の話については、『性的なことば』(講談社現代新書)を参照されたい。

マンガで分かる心療内科 3巻 (ヤングキングコミックス)

ゆうき ゆう / 少年画報社


性的なことば (講談社現代新書 2034)

斎藤 光 / 講談社


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by seiwadai_walker | 2011-05-19 01:13 | 読書

思い出の『全国駅前銭湯情報』

c0048467_22103541.jpg 引越しの荷物を整理していたら(まだやってんのかよ)、懐かしい本が出てきました。

 学生時代は、いかにして安く遠くまで行くかが至上命題だったので(使うのは当然青春18きっぷ)、宿などもってのほか、夜行列車を乗り倒して旅をしたものです。

 夜行列車連泊をしていると、問題になるのは風呂です(あとはコンビニといった食糧事情。今ほどコンビニが怒涛のごとくあるわけではなかったので、特に地方で深夜帯の食料確保は切実な問題でした)。やはり夏場は毎日風呂に入って汗を流したい。でも、旅先で風呂がどこにあるかなんて、まぁ見当もつきません。今ならネットでちょちょいと調べられますが、かつてはそんなの無理、ていうかなかったし。

 そうした中で、本書の刊行は自分にとって福音到来、まさにバイブルとして使い倒しました。

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 原宿の銭湯は、「ムーンライトえちご」に乗る前に行った記憶があります。原宿といえば、「若者の街」といったイメージで、銭湯があるイメージは全くなかったので、その存在に驚いたもんです。他には、函館や別府、長野とかでも使った気がします。

全国駅前銭湯情報の創刊と改訂版について

この本を手に北海道に渡った方も少なくなく、当時は函館~札幌間の快速「ミッドナイト」も運転されていたため、函館駅近くの「若松湯」では、「夏になると、毎晩紫色の本を持った人がたくさん来る」という話も聞きました。

 おぉ、行ったよ、「若松湯」!! 「ミッドナイト」もなつかしー。

 夜行列車も廃止が進み、ホテルに泊まるのがフツーになってしまったので、旅先で銭湯を利用する機会もずいぶん減りました。最後の利用は、2007年に九州へ行った時の、別府にある「駅前高等温泉」ですかね。

 '96~'97年版を最後に改訂版の出版はなくなりましたが、ネットでの情報提供は現在も続けられています。かつての職場の近くにある銭湯が載っていたのに思わず失笑。いつか行ってやろうと思っていましたが、転勤のため行かずじまいになってしまいました。

駅 前 の 湯(旧全国駅前銭湯情報編集室)

全国駅前銭湯情報〈’96~’97〉

STUDIO夢銀河


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by seiwadai_walker | 2011-05-14 00:22 | 読書

もたない男

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 著者の中崎タツヤ氏は捨てずにはいられないそうだが、私は真逆である。捨てられない。とかいいながら、昔清掃のバイトをしたときは勤務先でガンガン捨てまくって(もちろん許可を得て)、スッキリして帰って来たものだから、捨てる、というかきれいになるのは嫌いではない。

 が、あれは他人の物だから出来たことで、自分の物だと「あ、これは北海道の古本屋で見つけた本じゃないか」とか、「お、このCDはヤフオクで激戦の末競り落としたやつじゃないか。最後まで食らい付いてきたあいつはしつこかったなぁ」といった按配で思い入れが少なからずあるので、捨てるのは余程の熟慮を要する。

 だから、去年の本棚の様子はこんな感じだったが、
 ↓
(引越し直後で、まだスカスカだったという事情もある)

 今ではこの有様だ。
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 き、汚ねぇ…。

 なので、何か参考になることはないかと読んでみたが、「捨てるのが性癖」とか言われたら、こっちとしては何の参考にもならん。

 本を買っても読んだら捨てます。

 というか、読むそばから読み終わったページを破って捨ててしまうこともありました。

 例えば小学校、中学校の卒業アルバムは卒業したらわりとすぐに捨てていました。

 う~む。徹底している。とても真似できない。

 私も一〇〇円ショップで二個一組の糊を買って、すぐに一個捨てますが、これは単品で糊が売っていないからです。

 これは微妙に分かる。私の場合は、乾電池ですね。さすがに捨てはしませんが、余った電池は基本、行方不明になる。見つかっても使用期限切れの場合もありますんで、探す手間を考えたら結局最初から捨てた方が早かった、みたいな。

もたない男

中崎 タツヤ / 飛鳥新社


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by seiwadai_walker | 2011-05-13 00:03 | 読書

「鉄」道の妻たち

c0048467_2104199.jpg 10年前なら見向きもしなかった本である。「関係ねえよ」である。でも、今回はスッと手が伸びてしまった。私も丸くなったのか。

 しかし、色々考えさせられる本である。これが『「野球」道の妻たち』や『「ガーデニング」道の妻たち』だったら、極端な例があったとしても、内助の功や夫婦仲睦まじい様子を紹介するほのぼのした内容になったかと思う。いや、そもそもそれでは商売にならないだろう。

 「ダンナがテツではそうは問屋が卸さんでしょうよ」、というイメージがこの本を誕生させたのだろう。分からなくはない。

 そのイメージというのはつまるところ…

青春18きっぷで家族を大阪帰省させる鉄ヲタ夫に呆れる妻|アメーバニュース

確かに夫のいう通り、東京駅発午前7時台の東海道本線に乗ったら夕方5時前に大阪に着いたわ。でも、その間に10分以内の乗り継ぎで5本以上も電車に乗るなんてことは聞いてないよ。乗り換えるたびに、夫に「ほら、走って」って急かされてさ。ペットボトルのお茶も、駅弁も買えない。息子が「疲れたぁ。お腹すいた~」と半ベソかいても「もう少し、もうちょっと」ってニコニコ顔なのよ。

 こんな感じだろう。そういえば昔、横浜だったか、そこら辺へ行きたいと言うので、何も考えずに青春18きっぷでオール鈍行のプランニングしたら、「面白そうだけど、やめて」と言われたことがある。「面白そうだけど」というのはフォローのつもりだったのか。

 他には、急行「銀河」が廃止されるというので、乗り収めに東京へトンボ返りした時のことだ(詳細はこちら)。夜、東京在住の友人と飯を食ったのだが、彼が家を出るとき、奥さんに私の上京の趣旨を説明したのだが、とうとう理解してもらえなかったらしい。わざわざ列車に乗るために東京までやって来るということが。

 もし、彼の奥さんが私の嫁さんだったら(なんという傲慢な仮定)、とんだ異文化交流、いや未知との遭遇になったであろう。分かってくれとは言わないが、生暖かく見守ってほしい、そんな感じである。

老夫妻の間の友情のやうなものは、友情のもつとも美しい芸術品である。

三島由紀夫「女の友情について」より

「鉄」道の妻たち―ツマだけが知っている、鉄ちゃん夫の真実 (交通新聞社新書)

田島 マナオ / 交通新聞社


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by seiwadai_walker | 2011-05-12 02:10 | 読書

400年前の天罰発言

 三陸海岸は、
明治三陸地震をはじめ▽1611年の慶長三陸地震▽1856年の安政三陸地震▽1933年の昭和三陸地震▽1968年の十勝沖地震-などの大地震に伴い周期的に、大規模な津波に襲われている
 (8M超は過去最大級/八戸の津波|東奥日報

 という。

 今回の震災後、思い出したように寒川旭著『地震の日本史』をめくっていると、慶長三陸地震のくだりを見つけた(以下、特記なき場合は引用はすべて『地震の日本史』)。

 仙台で伊達政宗に面会したビスカイノは、太平洋沿岸を測量しながら北上した。彼らは越喜来(おきらい・岩手県大船渡市)に着く直前に、住民が村を捨てて山に逃げるのを見た。自分たちを避けるためかと思って呼びかけたが、すぐに、地震が原因と気付いた。高さ四メートル近い海水は進退を三回繰り返し、多くの人が溺死して財産を失った。

 このビスカイノという人、なかなか厳しい発言もしている。この慶長三陸地震は1611年12月に発生したが、同じ年の9月にも会津で大地震が発生した。

 そして、会津を訪れたビスカイノに
(領主の蒲生)秀行は地震の原因を質問した。ビスカイノは、天に在る神が、空気をして地を振動せしめ、王(秀行)や地上の住民に造物主を思い出させ、悪行をした者を改悛させるためであると答えた。

 今こんなこと言ったら国際問題だろう。秀行は外国人に言われるばかりではなく同胞からも指弾されていた。

 領主の蒲生秀行は、「飛騨守(秀行)仏神を蔑如し、任我意、其天罰の謂」(『当代記』)と、天罰を受けたことになった。


 似たようなことを言って問題になった方が現代にもいらっしゃいましたが…。


東日本大震災:石原知事「津波は天罰」|毎日新聞

「我欲に縛られ政治もポピュリズムでやっている。それが一気に押し流されて、この津波をうまく利用してだね、我欲を一回洗い落とす必要がある。積年たまった日本人の心のあかをね。これはやっぱり天罰だと思う。被災者の方々、かわいそうですよ」

  ↓
東日本大震災:石原都知事、「天罰」発言撤回し謝罪|毎日新聞

「天罰」と表現したことに対し、「発言を撤回し、深くおわびいたします」と謝罪した。

 だが、蒲生秀行はダメな人だったらしい。

秀行は政務に関心がなく「秀行淫酒に耽り新進の臣長野半兵衛重政を寵任する」(『徳川実紀』)と書かれている。

 このような人が国難に対応できるはずもなく、
もともと病気がちなうえ、災禍による心労に耐えかねた彼は「常に大酒、諸事行儀無く放埓」(『当代記』)となって地震の翌年に三〇歳の若さで他界した。

 管首相も突然泣き出すとか言われていたが、大丈夫なのかね。こっちが泣きたくなってくるのだが。

地震の日本史―大地は何を語るのか (中公新書)

寒川 旭 / 中央公論新社


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by seiwadai_walker | 2011-04-05 21:32 | 読書

ほりのぶゆき『旅マン』

ほりのぶゆき『旅マン』(小学館ビッグスピリッツコミックススペシャル)

 ひたすら日帰り旅行を繰り返す漫画。しかも「旅マンは常に前の回よりも遠くへ行かねばならない」というルールのがネックになり、さらには高速移動禁止(新幹線など論外)が拍車をかける。伊勢神宮参拝の時は、現地滞在が約1時間だった。つか、東京から鈍行で伊勢神宮が日帰りできるんだなぁ(名古屋からはさすがに近鉄特急を利用していたが)。

 挙句には、東京から鈍行で神戸日帰りを敢行する。現地滞在は5分。あいにく、帰りの新快速で長浜まで寝過ごしてしまい、ゲームオーバーを迎えるのだが、まぁこれが限界なのだろう。

 いたずらに名所や歴史を語るわけではないスタイルは、勝手に観光協会みたいでもあり、こういうのは結構好きだな。

 気に入ったセリフをひとつ。

 要は心の問題だ。海外旅行に勝る10分程の散歩だってありえるのだよ。

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by seiwadai_walker | 2009-02-15 21:12 | 読書

勢古浩爾『目にあまる英語バカ』

勢古浩爾『目にあまる英語バカ』(三五館)


 昨年の正月は奈良に行き、そこで外国人旅行者と会話したことは以前書いた。きっかけは法隆寺駅で電車を待っていたら、話しかけられたことに始まる。

 日本に来ているくせに上から英語をしゃべるわけではなく、日本語ガイドの本片手に必死で日本語をしゃべろうとする姿に胸を打たれ、こちらも必死に理解に務め、国際親善に一役買った訳であるが、慣れてきたのか、英語で「嫁はいないのか」とか「恋人はいないのか」とか初対面でする話かと戸惑いつつも、そのうち奈良の話になり、「奈良は何が有名か」と来た。う~む。やはり大仏だろう。つか、手にしてる旅行ガイドには載ってないのか。まぁいいや、ということで「ダイブツ」と言うや否や「What is DAIBUTSU?」と来た。う~む…。何て言えばいいんだろう。困り果てた結果「ビッグドール」などと、やや赤面しながらヌカす他なかった。なんだこの恥辱プレイは。向こうは複雑な顔してたぞ。

 後日知り合いに「大仏をドールとか言って恥かいた」と言ったら「じゃあフィギュアか」と返って来た。フィギュアと言われると、なんかおもちゃチックだなぁと思う程度。だめだこりゃ。

 こうなると普通に思うのが「やっぱり日常会話程度に英語はできた方がええんかなぁ」である。で、そのまま放置してきたわけだが、本書を読んで得心した。

そもそも、日本人に英語は基本的に不要である。不要だから日本人は勉強しない。勉強しないからしゃべれない。当たり前のことであった。


 そう、いらんのである。だいたい、本気だったなら帰宅後すぐに辞書でも引いて、大仏を英語でなんていうのかを調べることだろう。もちろんやってない。で、今調べたら「a statue [an image] of (the) Buddha」と出てた。ん、スタチュー? あぁ、イメージでもいいのか。へぇ。勉強にはなったが、こんなんで英語がしゃべれるようになるとは到底思えん。いや、だからいらないのだ。著者も書いている。

あなたにとって必要なのは、あくまでも個人としての英語なのだ。


 そう! 大仏を英語でなんと言うかを調べて、へぇと言ってりゃ十分なのだ。今のところは。それを「プッ」と笑うほうが「目にあまる英語バカ」なのだ。

 英語をしゃべる人間を「カッコイイ」と思ったり、逆に「ケッ、カッコつけやがって」と思うにしても、日本人を捕らえてならない英語という病(と言ってよかろう)を快癒させる痛快な1冊(英語は必要な人間が学べばよく(「必要は語学の母」「好きこそものの上手なれ」)、またその習得には地道な努力のほか方法はないと至極まっとうな事を書いているので、念のため。)。
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by seiwadai_walker | 2009-01-01 20:59 | 読書

岩田靖夫『ヨーロッパ思想入門』


岩田靖夫『ヨーロッパ思想入門』(岩波ジュニア新書)

 ジュニア新書だから中高生が対象なんだろうが、中高生に対しては「入門」ってレベルじゃねぇ、って気もしたが立派な書です。

 つまり、金持ちが神の国に入るのは不可能なのである。なぜなら、金持ちは自分を捨てられないからである。財産とか、社会的地位とか、魅力とか、名誉とか、業績とか、評判とか、いろいろな宝物をかかえこんで、それらを守るために自分のまわりに固い防壁を築いて、護衛などを配置して、他者を遮断しているからである。そんなふうに自分を守っている人間に、心を開く人がいるはずがない。彼らのまわりには、その力を利用して利益や快楽を求める利己主義者ばかりが蝟集(いしゅう)する。だから、力ある者には、愛は閉ざされているのである。彼らはけっして天の国へ入れないのである。


 嗚呼、あいつね(ニヤリ)、みたいな。まぁ、もっとも、そんな見たこともないトコ知らねぇよ!!とか言いそうだけど。他にはアメリカを思い浮かべたが。

 「愛は閉ざされて」云々に関連して。

 それゆえ、愛し合う者どうしは自由意志の根源から相手を肯定するのであって、けっして支配・被支配の関係にあってはならない。なぜなら、支配・被支配の関係はそれ自体が愛を破壊しているからである。だから、愛を切実に求めた神は、自分を拒否しうる者、自分を否定しうる者、すなわち罪を犯しうる者を創りだしたのである。なぜなら、ロボットをつくりだしても、愛の相手にはならないからである。けっして否を言わない応答機械をつくりだしても、それは他者ではありえず、呼びかけはむなしく虚空のうちに消滅してしまうだろう。


 分かっちゃいるけど、身に染み入るなぁ。
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by seiwadai_walker | 2008-12-28 21:42 | 読書
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とりあえず何か書き綴ります…


by seiwadai_walker
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