核攻撃から生き残れ!!
高田純『核爆発災害―そのとき何が起こるのか』中公新書
帯がすごい。

でもなぁ、大概はあきらめるのではないか。即死、もしくは放射線障害で後に死亡、といった具合に。それでも筆者はあきらめるな、と言う。広島の原爆投下の際、爆心地近くにいながらも生還した人の事例を挙げ、核爆発のメカニズムの解説を交えて、核爆発という絶体絶命の状況下でのサバイバル法を示してくれている。
個人的には、広島、長崎には残留放射能がないことが、ずっと前から不思議でなかったのだが、これについても解説がなされており、目からウロコであった。つまることろは、空中核爆発と地表核爆発の違いだそうだ。詳しくは長くなるので、本書をあたってください。
ちなみに、核攻撃事態に関する情報は、首相官邸から2系統で発信されるのだという。普通に考えれば、首都なんて格好の核攻撃目標ではないのか。筆者も指摘しているが、東京が核攻撃されたら、国民保護の情報はそこで途絶することになる。こんなので大丈夫なのだろうか?
もちろん、日本が核攻撃を受ける事態なんぞ想像もしたくない。外交努力は必要だ。しかし、テロリストが小型核爆弾で攻撃する場合はどうか。テロリストと外交交渉なんてできるのか。そういえば、お隣には核兵器を持ったテロ国家もあるし。自分としても北朝鮮の核攻撃で死ぬなんてまっぴらだ。その意味でも本書は有用と言える。
筆者が示すサバイバル法は多岐にわたるので、ここでは紹介しきれない。とりあえずは、地下へ逃げろ、昆布を食え、ってとこか。一応、国民保護ポータルサイトにも、核爆発の際の対処法は載っている。参照されたい。
by seiwadai_walker
| 2007-06-08 03:28
| 読書